授業
以下の授業を担当しています。
水産資源学(専任)
水産学部海洋生物科学科3年 秋学期 2単位
水産資源学は,資源の持続的有効利用をするための技術,およびその背景にある科学的知見に関する学問である。水産試験場・水産研究所等,水産資源や漁業に関する試験・研究機関で広く研究されており,これらの研究機関に就職を希望する学生は受講を薦める。この授業では,水産資源生物の性質を理解し,その管理・運用について立案する能力を習得する。
基礎水産資源学(代表・分担)
水産学部2年 夏学期 1単位
海洋や内水面に現存する天然の水産資源を持続的に利用する具体的な技術を明らかにすることは,水産学に対する重要な社会的要請項目である。水産資源学は生態学,漁業学,統計学を基盤として,乱獲を防止するための具体的な技術論を開発してきており,社会に大きく貢献している。この学問は,19世紀初頭に機船漁業が始まり大規模な乱獲が起こって以来,継続して発展しており,数多くの教科書が出版されるなど,一つの学問として確立しており,公務員試験においても頻出分野である。水産行政および水産研究をおこなっていく上で,その基礎として必ず修得しておくべきである。
この授業では,水産資源学の基礎を網羅し,基本的な考え方と手法を教授する。
海洋生物学実験(代表・分担)
水産学部 海洋生物科学科 3年 夏学期
資源生物学に関する実験を行い,これらを体験・修得する。具体的には,魚類プランクトンの形態観察と発育段階区分,魚類の食性解析,魚類耳石日周輪の観察,資源管理指標の解析(成長曲線,VPA)などを行う。
環境と人間 海のふしぎ-海と人との関わり-(分担)
全学教育科目1年 2学期 1単位
海洋をキーワードにして,海洋生物とその生活の場である海洋という環境に関する基礎を学び,海洋生物のユニークな生態や形態から動物の行動を理解する。また,漁業を含めた人間活動と海洋生物との関係,地球温暖化を含む地球規模での気候変化が海洋生態系に与える影響と対策を理解する。
乗船実習(分担)
海洋生物科学科3年 夏休み集中 1単位
沖合生態系を実感するための基礎航海であり,トロール,海洋観測,目視観測などの海洋調査を体験し,海洋生物学・海洋化学・海洋物理学に関する解析方法を演習する。屋外で得られた海洋生物学的データを用いて,沖合生態系構成種の形態学的特徴や生態学的特性を理解する。また,海洋観測データ(CTD観測と海水分析)を用いて海洋構造と3次元的な流れ場や化学過程を把握し,これらの物理・化学海洋環境と生物の相互作用を考察する。
海洋保全学(分担)
水産学部2年生 冬学期 2単位
海洋は主要な水界生物の生息場であるとともに,重要な生産の場でもある。 最新の国連開発計画においては,持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標のうちSDG14として「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し,持続可能な形で利用する」ことが挙げられている。本講義では,海洋環境を効果的に保全し持続的な資源の利用を進め,国際社会においてこの目標を達成するための考え方を学ぶ。
食資源ガバナンス論(代表・分担)
国際食資源学院修士1年生 春学期
本講義は,おもに社会科学・人文科学の領域からテーマを選択し,食の配分管理(ガバナンス)において生じる経済主体間の関係を総合的に論じる。水産資源論,アフリカ農村,食品安全とリスクコミュニケーション,農村社会学,都市と農村,食文化,土地管理,開発経済,環境経済,政策評価などの幅広いテーマを有機的に連携させることで,経済主体間の関係を明らかにし,複雑化する食料問題・環境問題・資源配分問題への理解醸成とその解決策に向けたアプローチを教授する。世界各地で生じている食資源問題について,テーマと密接に関連する具体的事例を取り上げ,漠然とした問題意識から解決すべき課題の析出を行うなど,専門分野に偏らない総合的な知識を教授する。
食資源生産論(分担)
国際食資源学院修士1年生
現代社会における食料生産の特徴・特質を解き明かし,その歴史的背景や現状,将来の課題について幅広く取り上げて俯瞰する。作物育種,栽培,農作業体系,水産,畜産,流通加工,廃棄物処理,食の安全等の様々なテーマに関して,社会的な背景と技術的現状,生産が社会に及ぼす影響やインパクトと意義,抱える問題点について世界の事例を取り上げながら理解を深める。さらに個々のテーマが複雑かつ多様な連関を有していることを認識させるとともに,環境や資源管理とも密接に関わりのあることを講述する。
漁業管理論(代表・分担)
国際食資源学院
本講義では,食資源として野生生物を利用する際の適切な管理に関し,漁業を題材に,その資源量動態,漁獲管理,及びその実施に関する諸問題を論説する。特に,欧米型の,単一魚種を対象とした大規模高効率漁業の管理に適したTotal Allowable Catch Management等のトップダウン型管理とともに,アジア型の,複数魚種を対象とした小規模低効率漁業の管理に適したCommunity based Fisheries Management等のボトムアップ管理,また漁獲努力量管理等の「入口管理」と漁獲量制限等の「出口管理」について,その漁獲管理効果と実施に関する諸問題を詳説する。さらに,漁業管理方策立案に関し,グループワークを通じて理解を深める事を目標とする。
海の科学(分担)
公立はこだて未来大学
地球の表面積の71%を占める「海」には,バクテリア,プランクトンから魚,クジラ,海鳥まで,私たちの想像も及ばない多種多様な生物が住んでいる.これらの生物は,海洋という環境の中で,それぞれ独自のスタイルで誕生し,生活し,次世代を残す.それぞれの海洋生物の営みと生活の場である海洋環境をトータルに見渡すと,みごとに調和した「海洋生態」をイメージすることができる.この授業では,海洋生物のユニークな生態,形態や行動,それらと環境の関わりだけでなく,さらに海洋生物を食料資源として持続的に利用してゆくための国際的な取組についても学ぶ.